【からふるわーくす】PM編漫画10話「トップページは私のものだ!」

天満川鈴 WRITTEN BY 天満川鈴
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本編

業務メモ

※作者の独学用です。参考程度にご覧ください。

漫画

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テーマ

多数のステークホルダーが関与するプロジェクトにおける意思決定構造の整備

実務ポイント

  • 関係者が増えるほど意見は増える プロジェクトの規模が大きくなったり、レビュー担当者が増えたりすれば、当然ながら要望や意見の数は乗算的に増加する。

  • 意見が増えること自体は悪くない 多様な視点からフィードバックが出ることは、クオリティ向上やリスクヘッジにおいて本来は歓迎すべきことである。

  • 問題の本質は「意思決定ルート」の曖昧さ トラブルの原因は、意見が多いことではなく、「出た意見を誰が精査し、誰が最終決定を下すのか」というルールが未定義なことにある。「意見を出す人」と「決める人」を混同してはならない。

  • 初期フェーズでの「役割定義」の徹底 関係者が増えることが分かった時点(あるいはプロジェクト初期)で、以下の役割をあらかじめクライアント側と握っておく。

  • 誰が意見を出すのか(各部署の担当者など)

  • 誰がそれを集約して判断するのか(クライアント側の主担当窓口など)

  • 誰が最終的な承認(責任)を負うのか(決裁権を持つ役員・本部長など)

  • 誰が制作側に連絡をするのか(窓口の一本化)

  • PM・ディレクターの真の役割 PMの仕事は、出てきた意見を無理やりすべて詰め込むことでも、関係者を黙らせることでもない。意見が衝突した際に、問題を構造化してクライアントに提示し、適切なルートで「合意形成(優先順位付け)」が行われるようナビゲートすることである。

一言

関係者が増えるほど、決める人を先に決める。

模擬問題にチャレンジ!

※作者の独学用です。参考程度にご覧ください。

問題

プロジェクトでは、進行に伴って当初想定していなかった部門や責任者などが新たに参加し、ステークホルダーが増えることがある。それぞれの立場から意見を得ることは、成果物の品質向上やリスクの発見につながる一方、異なる要求や意見が示された場合には、その意思決定の進め方がプロジェクトの進行に影響を及ぼすことがある。

あなたがPMとして携わったプロジェクトのうち、複数のステークホルダーから異なる要求や意見が示され、意思決定の進め方について対応が必要となったプロジェクトを一つ取り上げ、設問ア~ウに従って具体的に述べよ。

設問ア(800字以内)

あなたが携わったプロジェクトの概要、目的、あなたの立場及び主要なステークホルダーについて述べよ。

また、ステークホルダーからどのような異なる要求や意見が示され、それによって意思決定上どのような問題が生じたのかを具体的に述べよ。

設問イ(800字以上1,600字以内)

設問アで述べた状況について、あなたはPMとして何を問題の本質と判断したか。

その判断に基づき、意思決定を適切に進めるために、あなたが行った分析、関係者への働きかけ及び対応について述べよ。その際、誰にどのような判断又は承認を求めたか、及びその対応を選んだ理由についても具体的に述べよ。

設問ウ(600字以上1,200字以内)

設問イで述べた対応によって、意思決定及びプロジェクトの進行がどのように変化したかを述べよ。

また、その結果をPMとしてどのように評価したか、残った課題は何であったか、及び同様の状況に対して今後どのように改善するかを具体的に述べよ。

回答例

回答例を見る

想定プロジェクト

ユーズドショップを運営する企業のWebサイト制作プロジェクト。

第10話本編と同じく、制作終盤で顧客社内のレビュー参加者が増え、経営役員、広報担当者、サービス運用担当者、外部SEOコンサルタントから異なる要求が提示された案件とする。

受験者は制作会社側のPMとして、要件整理、制作進行、顧客との調整を担当する。顧客側には当初からのWeb担当者がおり、最終的に本部長が最終承認者となる。

設問ア 回答例

私がPMを担当したのは、ユーズドショップを運営する企業のWebサイト制作プロジェクトである。目的は、同社のサービス内容を分かりやすく伝え、新規顧客の獲得につなげることであった。私は制作会社側のPMとして、要件整理、デザイン・コーディングの進行管理、顧客との調整を担当した。当初は顧客のWeb担当者を主な窓口として進め、デザインとコーディングは最終盤に入っていた。

その段階でテストサイトが顧客社内で好評となり、経営役員、広報担当者、サービス運用担当者、外部SEOコンサルタントが追加レビューに参加した。役員は企業としての信頼感、広報は採用への活用、現場は利用者が迷わない導線、SEOコンサルタントは検索流入の強化を求めた。いずれもサイトを良くするための意見であり、私は意見が増えたこと自体は問題ではないと考えた。

しかし、その後は各関係者から制作側へ個別に具体的な修正要求が届き、広報、現場、役員がそれぞれ自分の重視する情報をトップページ最上部へ配置するよう求めるなど、同時には成立しない要求が生じた。誰が意見を集約し、誰の判断を正式な決定として扱うのかが明確でなかったため、制作側ではどの要求に基づいて作業を進めるべきか判断できない状態となった。

【概算文字数:522字】

設問イ 回答例

私は、問題の本質は要求の数や内容ではなく、レビュー参加者が増えた後も意思決定の仕組みを更新しておらず、意見を出す人と最終的に決める人が分離されていないことだと判断した。各要求を個別に見れば、デザイン変更や導線変更など制作上の対応案を検討することは可能だった。しかし、役員、広報、現場、外部コンサルタントはそれぞれ異なる立場から会社にとっての利益を主張していた。どの目的を優先するかは顧客企業の経営・事業上の判断であり、制作会社側の私が採否や優先順位を決める権限はないと考えた。

そこで私は、まず制作側に届いていた意見を、要求元、要求内容、対象箇所、他の要求との関係、反映した場合のサイト構成や利用者体験への影響が分かる形に整理した。例えば、トップページ最上部については、役員の会社紹介、広報の採用情報、現場の利用案内をすべて主役として配置すると、サイトの目的と情報の優先関係が不明確になることを示した。一方で、私はこの資料上で「現場案を採用する」などの裁定は行わなかった。制作側が示すべきなのは、何を選ぶべきかという結論ではなく、顧客側が判断するための材料だと考えたためである。

次に、顧客との連絡を担当する営業担当者を通じて、当初のWeb担当者へ現状を説明した。複数の関係者から直接要求を受ける状態では、制作側が正式な指示を判別できないこと、要求間に矛盾がある場合には顧客側で判断が必要であることを伝え、レビュー参加者増加後の窓口と承認フローを確認した。その結果、顧客側でも各部門の意見を誰が取りまとめ、誰が最終判断するかを明確に定めていなかったことが分かった。

私は、制作会社側で決定者を代行するのではなく、顧客側で取りまとめ役と最終承認者を定めてもらう必要があると説明した。顧客側で協議した結果、従来のWeb担当者が各関係者の意見を取りまとめる窓口となり、本部長が最終承認者となった。

以後、制作側へ関係者から直接要求が届いた場合は、その場で採否や実装を約束せず、要求内容と既存要求への影響を整理してWeb担当者へ返すことにした。Web担当者が関係者の意見を集約し、本部長の承認を得た内容だけを正式な決定として制作側へ一本化して連絡する運用とした。私は、制作側が顧客内部の意思決定を肩代わりするのではなく、適切な権限を持つ人が判断でき、その結果を制作側が明確に受け取れる状態を整えることがPMとして必要だと判断した。

【概算文字数:1,007字】

設問ウ 回答例

この対応後、顧客側ではWeb担当者が各関係者の意見を取りまとめ、本部長が最終承認する流れが定着した。顧客側でサイトの目的を再確認した上で、各要求の採否と反映方法について本部長の承認を得た。制作側は、その承認済みの内容をWeb担当者から正式な指示として受け取ったため、矛盾した要求のどれを採用するかを制作現場で判断する必要がなくなった。

その結果、トップページでは利用案内を主要な導線としつつ、企業紹介、採用情報、SEOを考慮したコンテンツにもそれぞれ役割を持たせたサイトマップを確定でき、制作を再開できた。多様な意見そのものを排除せず、顧客側で意思決定した結果を一つの指示として受け取れるようになった点は有効だったと評価している。

一方、私はこの問題への対応が後手に回ったと評価した。追加レビューの参加者が増えると分かった時点で、意見が増えることは予想できていた。それにもかかわらず、多角的なレビューには利点もあると考え、窓口や承認者を確認しないまま進めたため、矛盾した要求が制作側へ直接届いてから対応することになった。

今後は、プロジェクト開始時だけでなく、途中でレビュー参加者が追加された時点でも、誰が意見を出し、誰が取りまとめ、誰が最終承認し、誰が制作側への正式な窓口となるのかを確認する。また、窓口外から直接要望を受けた場合は、内容を無視せず、制作側で採否も決めず、影響を整理して正式な窓口へ返す。この運用によって、関係者の多様な意見を生かしながら、意思決定責任を曖昧にしない進行を行う。

【概算文字数:645字】

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天満川 鈴

未経験からWEB業界に入り、現在はWEBディレクターとして実務に従事。 要件整理・導線設計・コンテンツ構成などを学びながら、日々改善を重ねています。 AIを活用したコンテンツ制作・効率化を強みとし、プロンプト設計を含めた制作フローの最適化にも取り組んでいます。

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